「さなぶり」って実はスゴ技サイエンス!


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みなさんは「さなぶり」をご存知ですか?地方によっては「骨休め」「気保養」「土洗い」といった名前もあるようです。「さなぶり」は年に2回程度、温泉に連泊してゆっくりと体を休める習慣で、昭和の始めくらいまで日本中の農家で広く行われていた健康法のひとつです。

もともと「さなぶり(早苗饗)」は読んで字のごとく、田植え作業に参加した人々と田の神様へ感謝する祝いの饗宴(おもてなしの宴会)がその由来。まだまだ水が冷たいこの季節、きつい泥仕事を終えた体へのねぎらいのため、人々がこぞって近くの温泉湯治に出掛けることが多くあったことから「さなぶり」は、今や春に限らず湯治そのものを指す言葉として使われるようになったようです。

車がまだ普及していないころ、人々は人里離れた山奥の温泉へ日数分の米や味噌、調味料や食器類、さらには布団にいたるまで馬に背負わせ、年に2回程度、真冬の「寒の湯治」と真夏の「土曜の丑」に合わせ、この「さなぶり」をしていました。

古代縄文時代の遺跡にも入浴跡が見てとれるほど日本人は大の温泉好きですが、温泉に浸かることによって慢性疲労、筋肉疲労、また代謝機能を高め、日頃の疲れた心と体を癒し、明日の活力を取り戻すことは、医療が未熟だった当時、現代以上に大きな意味合いを持ち、文字通り、お湯で治療するという感覚だったに違いありません。

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かつての人々は自身の体が教えてくれる経験値から無意識のうちに、一年で一番暑い時期と一番寒い時期に温泉に浸かって体の抵抗力、いわゆる免疫を高め、暑さや寒さに強い体をつくっていたんですね。スゴイと思いませんか?

高度経済成長時代の置き土産で温泉=ちょっとぜいたくな観光地、というイメージを持っている方も少なくないかもしれません。ですが、忙しい現代社会だからこそ、先人が教えてくれた最良の健康法である温泉を充分に活用し、古くて新しい温泉文化として、あらためて生かしていきたいものです。